うみをすすむ

0歳10ヶ月、網膜芽細胞腫(レティノブラストーマ)という目の小児がんで右目を摘出した息子との日々のこと。病気と向き合う記録。

義眼っ子 幼児の水泳

保育園での水泳、スイミングスクール、いくつか体験したので義眼での水泳はどんな感じか記録。

 

ゴーグルをした方がいいと聞いていたのではじめからゴーグル着用をお願いしていました。保育園でもそうしてもらってます

今のところ大きなトラブルはありません。保育園ではゴーグル羨ましいっ子は続出してたようで同級生が家のお風呂でゴーグルつけてたという話はききました(笑)

 

スイミングスクール 体験

断られたりもっと念押しされたり色々聞かれるかと思っていたけど割とすんなりでした。

 

聞かれたのは

ゴーグルしてというのは問題ないが塩素が入った水で影響はあるか、みんなと一緒のようにして大丈夫か、なくしたなどそういうことは責任が持てないなどは聞かれました。

 

行くのであればその辺は理解した上です、ということをしっかりお伝えしたらokでした。  

 

体験終わってコーチから

距離感とか慎重なったりっていうのはありますかね?すごく慎重で。段差も怖いですか?

というのを伝えられ

 

詳細にそういうことまでは言ってなかったのに、ああ分かるものなんだな、そこがやっぱり苦手なところなんだなって改めて分かりました。

(皆さんどうですか?? プールサイドとかプールの段差とか苦手?)

それを含めても断られることはなかったです。

 

本当普段は普通なのでどういうところが片目で苦手なのかというのは親でもはっきり分からなくて。第三者に言われて総合して分かる感じで。

 

 

 

保育園での水泳からやりたいという気持ちがあって体験中なんですが、やりたい気持ち、とにかく本人は楽しそうなので続けられたら続けて欲しいなと検討中

 

最近プール後に義眼側が腫れるということがありました。結局一時的なもので何が原因かは分かりません。目薬で回復しました。診てもらったけど感染性ではありませんでした。

(以前も腫れたことがあり処方されていたもの目薬はクラビットやフルメトロン)

義眼側、結膜系の病気などは悪化しやすいとは聞いているので過度の心配はないけどプール後、ちょっと注意は必要かも。

 

義眼のアンケートからのご報告(2)

アンケートの概要を
「まもりがめの会」のページに掲載しました。

どんなトラブルがあったか、はとてもたくさんの事例をいただきましたので別の形でまとめ直そうかなと考えています。
私も自分の子供のことしか知らなかったので
色々勉強というか、みなさんの対応に頷いたり、こんなことあるのかーと発見があったりでした!


園も親も冷静に日常的に対応されてました。

なのでアンケート、その他のところをピックアップして掲載しています




これから入園、入学の方のお役に立てたら幸いです。

mamorigamenokai.theblog.me



▼小児の義眼の会「まもりがめの会」のお知らせやコラムなどはこちらに掲載しています。
今後、うみをすすむ、で沢山読んでもらっている義眼関連のページなどは
まもりがめの会でも読んでいただけるようにしようかなと思います。
mamorigamenokai.theblog.me

義眼のアンケートからのご報告(1)

春にご協力いただいたアンケート、
最終的に36名もの方に記入いただけました。本当にありがとうございました!
marmom.hatenablog.com


アンケートは項目ごとにまとめて、お渡しして話し合いに使っていただきました。
※沢山の声が届くよう少しでも説得力があるようにと、最終的にまもりがめの会(小児義眼の会)のまとめとさせて頂きました。
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そして先日報告のメールを頂きました。
結果は

乳児クラス(0〜2歳)の間は誤飲の可能性があるから
アイパッチ+義眼着用 で登園
となったそうです。

年少になったら義眼のみで登園可ということです



話し合いは園の関係者を交えて、そして市役所も交えてと段階を踏んで行われ
・アンケート結果
・眼科医師の診断書(義眼着用が望ましいという一筆を書いて頂けました)
・去年の夏に園で撮った写真(アイパッチをしているけど、かぶれで赤くなっているのが写っていたので)

を持って行われたそうです。

アイパッチなしは認められなかったけれど「乳児クラスのうちは義眼をつけての登園はまず無理、年少になっても分からない」なんて言われていた中で義眼をつけての登園がまずOKになったことにホッとしているという言葉がありました。

アイパッチなしで、も認めていただきたかったのが私も本音です。

でも長く話し合いを持たなければ動かなかったところに少し風穴があいたこと。
大きな柱である「義眼をつけて登園できる」それすらも認められなかったところがOKになったことは大きいと思います。
本当に義眼での登園自体が認められてよかった。
沢山心を痛めて、ご両親が頑張っていることも伝わってきてたから。




アンケートに協力して頂いた皆様に是非伝えて欲しいとメッセージを頂いたのでこちらに載せますね。

アンケートにご協力して頂いた方々に感謝致します。
アンケート結果を見て、強い気持ちをもって面談にも挑むことが出来ました。
いつか息子に「こんなにたくさんの方が、あなたのために協力してくれたんだよ。」と、伝えます。本当に感謝します。かぶれは、なんとか夏を超えれば大丈夫なので、
アイパッチを着けないといけないけど、義眼着用が認められて良かったです。

私達家族から心からお礼申し上げたいです


アンケートの結果については今後役に立つ方もいると思うので概要をこの後、このブログとまもりがめの会のサイトに掲載します。
まとめたものは、必要な方にお渡しもできるように整えたいと思っています。(使わせていただけるよう許可はいただいています)

小児の義眼の会を立ち上げました。

小児の義眼の会「まもりがめの会」を立ち上げました。
mamorigamenokai.wixsite.com


作ろうと話がでて、具体的になったのが昨年のことでした。
あればいいのになとは考えていたんですが、当事者が未就学児である私は動く事があまりできません。

自分の体のことを決めていくのは今後子供自身だからです。
当事者の子供より前に出て活動することは違うと感じていました。(親が声をあげて活動することがプラスになっていく疾患ももちろんありますが、この病気、そして義眼に関しては難しいと思っています)。

そんな時、自身も網膜芽細胞腫罹患者であり、義眼を使用している今の代表が
「こういう会を作りたいと考えてる」というのを知り、是非お手伝いさせて欲しいと連絡しました。

それがはじまりです。


このblogを書き始めてからメールを頂いたりすることがたくさんあり病気のこともそうですが、義眼のことが多かったのです。

親も子も悩んだりしても相談できる場所がなかった。情報も少なく、途方にくれていた人もいたと思います。


また小児が義眼を使用するのは網膜芽細胞腫由来だけではないということ。小眼球症、無眼球症、PHPVなど色々あることも感じていました。
病気を基点とした家族の会はありますが、疾患が違うととたんに情報が得られなくなります。



小児の義眼というアプローチで
垣根をなくして相談できる場所
情報を得られる場所
また内だけではなく、外へ。
社会的に知ってもらいたいことを発信していける場所になればいいなと思っています。
先日のアンケートのようなこと
また、冊子を作ったり、そういったこともしていければと。




お話の会、として話せる機会を作っていっていますが
デリケートな事のため、またプライバシーを守るため
安心して参加できるよう現在は紹介制としています。
(お会いしたことがなくても、メールなどで何度も言葉のやりとりしたことがあるなどです。)

お話の会に参加できなくても情報が得られるように
私が今までブログで綴ってきたようにHPで公開していこうと思っています。



私は技術サポートなどを中心にしていきます。
みんな家庭や日々のことがあるので、日常のことを大切に
会を続けていくことが負担にはならないように。
なのでゆっくりと育っていくかたちになると思いますが
どうぞ見守っていただければ幸いです。
親だけでなく、子供が大きくなって一人で悩まずに済むように拠り所になったとしたら嬉しいなと。



「まもりがめの会」というのは第一回、集まったメンバーから名前を出し合い決めました。
やさしい響き。とても気に入っています。

義眼がはずれて大変だったこと(3)

子供たちへの話が終わり
親への説明は懇談会で、ということになりました。

年長クラスはお泊まり保育をはじめ、大きな行事が多く元々この時期に懇談会を開く予定だったようで
それを少しだけ早めるという判断を園側がしてくださったのです。


親へはどう説明するか、これもかなり悩んだんですが
まず言うべきこと、を考えました。

○日常生活で不便ないこと
○過剰に心配の必要はないこと、自分達には日常でかわいそうではないこと
○今日の話を交えお子さんが疑問をもった時に話をして欲しいこと
○今後本人が話す話さないを決めていく大切なことだからこの話は他言無用、この場にとどめてほしいこと
○これからも変わらず仲良くして欲しいこと

それを元に原稿を作りました。
元々あがり症で!、絶対に抜けると思ったので原稿用意して読むことに。

あと、これは後日こちらでも詳細を公開しますが
最近有志で「小児の義眼の会」を立ち上げました。以前ブログに書いた保育・幼稚園関係者の方へのお願い(義眼について) - うみをすすむを元に小さな冊子も会で作ったのでこれをみなさんに配ることにしました。
(まさかここで役立つとは想像していませんでしたが、作っていてよかった。)

義眼については正直まだまだ誤解も多いです。口頭でまとめて説明することは難しいのでこういう形で段階を踏んで説明できたのはよかったです。
あとで、色々勉強になった、全然知らなかった、知れて良かったという言葉を聞きました。


原稿があるにもかかわらずめちゃくちゃ緊張してしまいましたが
言いたいことは全部言えたのかな
都合でこの日欠席した方も10人ほどいらっしゃったんですが、翌日、原稿を元にしたお手紙と冊子と一緒に渡していただきました。





全ての方が思ったように理解してくれたかどうかは分かりません。
ただ、できることはやったと思います。

ここまでする必要あるの?って
事情を知っているお母さんの一人に言われました。
確かにそう。

見たのが数人の子供達だったらここまでしなかったと思います。
年中くらいから子供の行動を見て
言わなくていいかなと思っていたし、このまま卒園して小学校へいくんだろうなって先を描いていました。


でもここまで知る人が増えた以上、知らない所で噂のようになるよりは
子供にも大人にも正しく知ってもらって、みんなに味方になってもらおう。と思ったんです。





子供達は思った以上にシンプルに、かつ深く理解していました。
その後、○○くんの目、どっちが違うんだっけ? どうなるんだっけ?
と私に聞いてくる子もいるんですが、それは分かろうとしてくれてると感じます。
茶化したり、笑ったり、冷やかしたりする子は一人もいません。
そして大人の方も思っている以上に寄り添ってくれた。


人が一人で考えることっていうのは限界があるし、
考えすぎて自分自身で枠を決めすぎてはいけないんだなと。
動いてみて思いました。

小学校という新しい環境に入る前にこうやって話せたことはいいタイミングだったし
本当に良かった。


義眼をすることになったお子さんのいる方、つけたばっかりの方、病気が分かったばかりの方
どうか未来を恐れないでくださいね。
大変なこともあるけど、悪いことばかりではないし、
歩んでいった分だけ世界は広がっています。

marmom.hatenablog.com

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義眼がはずれて大変だったこと(2)

義眼がはずれる事態があってからすぐの週明けに
まず子供達にお話することになりました。
marmom.hatenablog.com


ただ日にちはなく
どう説明するのか早く決めないといけない

嘘なく、分かりやすく伝えるにはどうしたらいいか
悩んだ末に紙芝居を作ることにしたのです
ただ時間あまりにもなく、簡単な形で4Pに。
紙芝居にしたのは絵があると想像しやすい、というのと
私も裏を見ながら抜けなく話ができる、という理由もありました。

構成は

(1)どちらがみんなと違う目なのか

具体的に右側だよ、ということ

(2)どうしてみんなと違う目なのか

赤ちゃんの時にこわい病気がやってきて、息子も家族もみんな一生懸命戦って、追い払ったけどその時の戦いで目はお空にいってしまったこと。
お医者さんがいなくなってしまった目の代わりに新しい目を作ってくれたこと。
新しい目がきてくれたから、もう大丈夫なんだよってこと。

(3)どういう風に違うのか

義眼は固くて、さわれたりする。
時々まわったり、取れちゃったりもする
でもみんなの目は取れないから安心してね。
同じように触ったりしちゃだめだよ
まわったり、取れたりしてたら教えてあげてね。ということ。

(4)違うってなんだろう

目が違うことは
みんなの背の高さが違ったり、顔が違ったりするのと同じで
特別なことじゃないんだよ。

これからも変わらず仲良くしてねということ


話す当日
息子に「横にくる?」と聞いたんですが、みんなと一緒に座ったままでいいと。
子供とはいえ40人近い人数に話すのはとても緊張したんですが
みんな最後まで真剣に聞いてくれました。

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終わったあと、息子がとびきり笑顔でホッとして。
自分のことだったから、こういう形でみんなに話せたの嬉しかったのかな



あとで事情を知っていたお母さんから
「坊くんの目がね、まわってたら教えてあげるんだ(なぜか小声で(笑)」
「坊くん、みんなと違う目だけどもう大丈夫なんだって〜」
など言ってたと聞きました。


次の日以降、目のことに触れてくる子は一人もおらず
いつも通り普通に遊んでいるそうです。


それぞれが理解してくれたこと、本当に嬉しかったです。(つづきます)

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義眼がはずれて大変だったこと(1)

実は先月大事件?がおこって
つい先日まで対応にいろいろ奔走していました。


お迎え前にスーパーに寄っていたら
息子と同級生の子がととととーっと駆け寄ってきて
「○○くん、目取れちゃったんだよ〜!」って
(事情を知らない子です)

ええええええええ!!!!
とにかく慌てて隣にいたその子のお母さんに義眼であることをを説明し
(説明しないともう子供の話が何の事だか分からないと思ったので咄嗟に)
急いで園に向かいました。

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ここからは園長先生に聞いた話ですが

義眼が保育園で
しかもみんなの前で取れてしまったんだそうです。ぽろりと。
その時周りにいた20人ほど(土曜日だったため若干少なかったんですが、その日きていた4、5歳児全員でした)がしっかりと見てしまったということ

もうそれはそれは大騒ぎになったそうで

「大丈夫?」
「お医者さん呼んでーーー!」
「お医者さんきた?」「早く助けてあげて」

と多くは息子を心配する声だったそうです。怖くて逃げたり、悲鳴をあげたりとかはなかったそうなんです。
大変なことが起こったからなんとかしなくちゃっていう
全員がそんな感じだったって。

事態の大きさを見て、すぐに園長先生がお話をしてくれたそうです。
これについては感謝しかありません。

入園から今まで先生方とも色々想定はして話し合いを重ねていたので
園長先生もこちらの気持ちを分かった上でお話してくれていました。
それで子供達も安心できたということでした。


私はこういうことが起きたら
びっくりして泣いちゃったり、パニックになるんじゃないかって思ってたんです。
でも実際は違った

みんなが息子を「助けなきゃ」ってそう思ってくれたんです。
(当の本人は、まだみんな言ってる〜 みたいな感じだったそうで。まあ温度差はあるよね。彼にとっては体の一部で日常だから)

就学前の子供の心の豊かさと
土壌の大きさは想像以上で大人の比ではなかったんです。
園長先生も、子供達の行動に感動してしまったと仰っていました。




でも20人は多い・・・
どうしよう。一人一人説明するには多すぎる
(保育園は保護者がそれぞれ忙しいのでまったく会えない人も多い)
想定していた最大級の出来事なのは確かでした。

若干ですが、「自分の目は取れたりしないか」考える子
「怖い」と泣いてしまった子もいたそうで(それでも大丈夫?という心配が勝っていたそう)

そういった子供達の心のケアと
まっすぐ優しく沢山心配してくれた子供達の気持ちに
私は誠実に応えなければいけない
息子にとっても、噂のように広まらないようにしないといけない
だから
私からきちんと義眼についてお話をした方がいい
と感じました。

園側とも話し合いをし
○まずは息子と同級生の年長さんの子供達<全員に>私からお話をすること。
○同級生の保護者<全員へ>説明をする時間を設けてもらうこと


を決めました。
見てしまった子も含めた<全員>としたのは、この規模だと人づてに伝わってしまう可能性が高いから。
人を介すと間違って伝わりやすいので、ここはもう全員にお話することにしました。
今年は年長でお泊まり保育をはじめ、親の目が届かなくなる大きな行事が多数控えていることもありました。



自分でケアもできるようになってきていたし、人前で取ってはいけないと本人も分かっていました。
だから正直まさか5歳でこんな事が起きるとは思っていなかった。
その日すごく痒かったみたいで、痒さに負けて力任せにこすってしまったようです。

義眼自体が痒いって訳ではないんですよ
普通にアレルギーみたいな花粉症みたいな痒みはあるようで。
目やにが多かったりしても痒いみたいですね。
義眼は横の動きには弱いので、当たりどころも悪くて外れてしまったよう。

このまま何も無く卒園まで行けるかなって思っていたのですけどね…

でも驚きつつも割とどっしり構えていられたのは
これまでも園と色々話し合ってきた土壌があったからだと思います。

とはいえ具体的にどうやってお話をするか、何が必要か、子供、大人それぞれに理解してもらうために何を話すべきか
考えたり話を重ねる日々がしばらく続きました。(つづきます)

marmom.hatenablog.com