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うみをすすむ

0歳10ヶ月、網膜芽細胞腫(レティノブラストーマ)という目の小児がんで右目を摘出した息子との日々のこと。病気と向き合う記録。

網膜芽細胞腫とは

網膜芽細胞腫とは

網膜芽細胞腫は小児に発症する目のがんで、15,000人の出生児に1人の頻度で人種・性別による差はありません。日本では現在年間80人が発症しています。目の中にある光を感じる網膜から生じ、片方の目だけの場合を片眼性(片側性)、両方の目に生じた場合を両眼性(両側性)といいます。65~70%が片眼性、 30~35%が両眼性です。同一家族内に複数の発症者がいる場合を遺伝性といい、約10%です。遺伝子の突然変異が原因とされています。

RB遺伝子(Retinoblastomaから命名)の異常で発症すると考えられています。 RB遺伝子は、13番染色体の長腕(13q14.2)にあり、細胞分裂を制御しています。これが働かなくなると細胞分裂のブレーキが利かなくなるので細胞ががんになってしまいます。 “がん抑制遺伝子”とも言われ、細胞をがんにならないように働いている遺伝子です。

目の症状としては、白色瞳孔、斜視、結膜充血、低視力、角膜異常、眼瞼腫脹、眼球突出などがあります。「黒目が白く見える」「黒目がくすんでいる」などの状態を白色瞳孔といいます。暗いところで光が入ると光って見えるため、猫目(cat's eye)ともいいます。ただし、白色瞳孔を示す他の疾患もあります。
 全身の症状として、眼痛のため元気がない場合もあります。染色体異常を伴う場合、多指症、耳の形の異常、精神発達遅滞を伴うことがあります。

息子の場合も白色瞳孔で発覚しましたが、「透明に見える」「透けて見える」という感じでした。ここにあるように「猫目、光る」母子手帳6ヶ月あたりのチェック欄「黄緑色に光る」などこの瞳孔の色の表現は言葉では難しいところがあると思います。
そもそも瞳孔(真ん中の瞳)は人種問わず黒でその色が違うということがおかしいのです。目の奥に腫瘍がある為におこります。

その他白色瞳孔がある小児の病気は「第1次硝子体過形成遺残(PHPV)」「Coats病」「未熟児網膜症」などがあるそうです。どれも軽いとは言えませんがその中でも網膜芽細胞腫は摘出の可能性がある上に、悪性腫瘍で脳転移、全身転移も考えられます。目の病気としては重篤なものです。

網膜芽細胞腫の治療方法

治療方法は、眼球保存療法と眼球摘出に分けられます。

 眼球保存療法は、眼球を残したまま腫瘍を死滅させる方法です。しかし詳しい病理検査ができないため、将来の転移の起こり易さが判断できません。放射線外照射療法や抗がん剤の副作用の問題もあります。眼球内で再発を繰り返す場合もあり、治療が長期になります。視力は残せる場合もあります。
 眼球摘出は、腫瘍を取り去ることができる最も確実な方法で、詳しい病理検査により、速やかに転移の危険性を判断できます。もし転移を起こす可能性が高い状態であれば予防的化学療法をする意味があり、逆に転移を起こす可能性が低い状態であれば治療の必要もなく、義眼もきれいに入ります。視力は当然残りません。
 かつては、片眼性の場合は眼球摘出、両眼性の場合は進行眼は摘出して、進行していない眼球は保存療法をすると言われていました。最近では、眼球保存療法が発達したため、保存療法をする場合が多くなっています。
 また、眼球摘出と眼球保存療法で生存率に差がないという報告もあります。網膜芽細胞腫は、5年生存率93.9%、10年生存率90.6%であり、生命の危険性はそれほど高くありません。但し、眼球壁を越える腫瘍がある場合には5年生存率が71%まで下がり、転移を生じると生存率は更に悪くなり、脳転移を生じた場合は1割も助かりません。つまり、腫瘍が眼球内にとどまっていることが重要です。

引用:網膜芽細胞腫の子どもをもつ家族の会「すくすく」より

この病気の治療法は大きく「温存治療」と「眼球摘出」があります。
息子の場合は腫瘍で網膜全剥離、素人目に見ても視力は絶望的な状態でしたのでセカンドオピニオンはせず即摘出を選択しました。


少なくとも息子は目とひきかえにはなりましたが、命をとりとめ
今元気で、本当に普通に生活ができています。