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うみをすすむ

0歳10ヶ月、網膜芽細胞腫(レティノブラストーマ)という目の小児がんで右目を摘出した息子との日々のこと。病気と向き合う記録。

保育・幼稚園関係者の方へのお願い(義眼について)

保育・幼稚園関係者の方が検索されて来られる事があるので
義眼へのQ&Aをまとめてみました。

※片眼の場合のことを主に書いています。
義眼への正しい理解が進み、子供達が楽しく生活できますように。
(あくまで私の経験値ですので、ここは違う!っていうところがあれば指摘くださいね)

義眼へのQ&A

<義眼ってどんな形? → 大きなコンタクトレンズです>

  • 一番誤解がある部分ですが義眼は球形ではありません。大きなコンタクトレンズという形です。


<義眼が無い時はどんな感じ? →  穴は空いてません>

  • 穴があいている訳ではありません。結膜が見えるだけで想像しているより違和感はないですよ。


<なぜ義眼をするの? → 一番の目的は顔面の成長をフォローするため>

  • 無くなった側の顔の成長を促す為でもあります。目がないとその部分は成長をやめてしまいます。何もしなければ顔面の左右の成長が変わってしまうので、成長著しい子供にとって義眼はとても大切なものなのです。また目はコミュニケーションに大きな役割を果たす部分でもあるので、日々を円滑に過ごす為の意味合いもあります。

そして、義眼床と呼ばれる目がなくなったことで生まれる結膜の部分を守る役割もあります。硬い義眼が守ってくれるのです。(摘出の場合です)




<頻繁に取れたりする? → 頻繁には取れません>

  • 意外に取れません。調整をしっかり行ってその子に合わせたものを作っているので普通に生活していて取れることは殆どありません。走ったり、遊んだりしていても取れません。
  • 寝起きなど目を強くこすったりすると回ったり取れたりすることはあります。頻度は高くありません。登園中、回ったり取れた事がまったくないという話も聞きます。


<義眼の扱いって大変? → コンタクトと同じくらい簡単>

  • 扱いは簡単です。入れているだけなので出し入れも簡単です。清潔な手で出し入れ、汚れたら日中は水洗いでOK着脱もコンタクトレンズと変わりません。ただ子供の目に合わせたオーダーメイド、つまり特注品で安いものではなく、すぐに代わりをというのが難しいものです。落ちることはあまり無いとはいえ何かの拍子に失くしたりには注意です。年中、年長になってくると自分で洗ったりもできるようになります。


<義眼の取り外しは医療行為? → 医療行為ではありません>

  • 義眼を他人が取り外したりすることは国では医療行為とされていません(先日義眼師さんにお聞きしました。国へも問い合わせをされたそうです)。取り外したりを園でするかどうかは基本的に各園の方針になります。※地方自治体で独自に方針を定めている場合はあるようです。


<片目は障がい者? → 殆どが障がい者にはあたりません>

  • 両目の視力の和が認定の基準の為、もう片方の目に視力があれば、相当視力がない場合を除けば障がい者と認定されることはありません。この事を知る人が非常に少なく、その認識の格差が差別を生む要因の一つになっています。

marmom.hatenablog.com



<片目だと生活に支障がある? → ほぼ支障はありません>

  • 殆どありません。幼い頃から片目の場合、脳が見え方を片目でうまく処理できるように発達するそうです。本人が見えない分を本当にうまくカバーして行動します。介助の必要はありません。

注意するのは以下でしょうか
 

  • - 義眼側の視野が狭いので、その部分に何かあると若干反応が遅れる。
  • - 立体視ができないのでたまに物を取り損ねたり、距離感が掴めなかったりすることはあるらしい(これに関しては脳が片目で近い機能になるようだんだんと補完していくようです。息子は取り損ねたり距離感がないということはまったく見受けられません。)

過度の心配はまったく必要なしです! ちゃんと毎日の生活で学んでいきます。



<義眼で体育やプールはできる? → できます>

  • 走ったり飛んだり回ったり。そういうことで取れたり回ったりはしません。体育で出来ないことはないです。
  • 水遊びはまったく問題ありません。
  • 泳ぐ場合は念のためゴーグル装着が良いです。



<他の子供への、保護者への対応は?>

  • これは家族と園との相談になります。はじめに状況を説明するのかしないのかもし他の子供が「義眼」に気付いたらどうするのか。皆さんそれぞれの環境を見て決めています。

ちなみにうちは
○現在義眼のことを気付かれることなく生活できているので保護者全体への説明は行っていません。
○保育士さんと意見交換を随時行って、考えに違いが出ないようにしています。
○もし何かあった場合必要であれば速やかに保護者などに説明するよう話しています。

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先日、同じ病気で戦って義眼になったお子さんが保育園に通うにあたって園側と意見の相違があって揉めるということがありました。
保育園側が義眼に対して過剰な心配をしており、その行き過ぎた対応が子供の健康的な生活を妨げることになってしまっていました。とても理不尽で悲しい対応でした。
「義眼」は義足、義手などと比べて世間的に認知度が低いのも原因だと思います。



そういうこともあって今回こういう文章書きました。




子供達にとって義眼は大切な体の一部です。




特に片眼の場合は「障害」と社会的に認定されません。
片目は障害ではない。社会的にはそういうことです。
だからこれから両目がある子とまったく同じに生活していくことになるのです。

義眼をはめている子を扱った事がない、大丈夫か…心配されるかもしれませんが、障害ではないといわれる通り、実際、生活していく上で支障が出ることは殆どありません。だから他の子と同じように対応、接していただきたいです。

ひょっとしたら目の事に疑問を持つ事で子供同士トラブルもあるかもしれません。
でもそれは日常の色んなトラブルと変わらないと思います。
子供もその体験の中で自分のことや、お友達への対応を自然に学んでいくと思います。


保育園や幼稚園は社会への入り口。
どうか義眼への正しいご理解をお願いします。