うみをすすむ

0歳10ヶ月、網膜芽細胞腫(レティノブラストーマ)という目の小児がんで右目を摘出した息子との日々のこと。病気と向き合う記録。

義眼がはずれて大変だったこと(3)

子供たちへの話が終わり
親への説明は懇談会で、ということになりました。

年長クラスはお泊まり保育をはじめ、大きな行事が多く元々この時期に懇談会を開く予定だったようで
それを少しだけ早めるという判断を園側がしてくださったのです。


親へはどう説明するか、これもかなり悩んだんですが
まず言うべきこと、を考えました。

○日常生活で不便ないこと
○過剰に心配の必要はないこと、自分達には日常でかわいそうではないこと
○今日の話を交えお子さんが疑問をもった時に話をして欲しいこと
○今後本人が話す話さないを決めていく大切なことだからこの話は他言無用、この場にとどめてほしいこと
○これからも変わらず仲良くして欲しいこと

それを元に原稿を作りました。
元々あがり症で!、絶対に抜けると思ったので原稿用意して読むことに。

あと、これは後日こちらでも詳細を公開しますが
最近有志で「小児の義眼の会」を立ち上げました。以前ブログに書いた保育・幼稚園関係者の方へのお願い(義眼について) - うみをすすむを元に小さな冊子も会で作ったのでこれをみなさんに配ることにしました。
(まさかここで役立つとは想像していませんでしたが、作っていてよかった。)

義眼については正直まだまだ誤解も多いです。口頭でまとめて説明することは難しいのでこういう形で段階を踏んで説明できたのはよかったです。
あとで、色々勉強になった、全然知らなかった、知れて良かったという言葉を聞きました。


原稿があるにもかかわらずめちゃくちゃ緊張してしまいましたが
言いたいことは全部言えたのかな
都合でこの日欠席した方も10人ほどいらっしゃったんですが、翌日、原稿を元にしたお手紙と冊子と一緒に渡していただきました。





全ての方が思ったように理解してくれたかどうかは分かりません。
ただ、できることはやったと思います。

ここまでする必要あるの?って
事情を知っているお母さんの一人に言われました。
確かにそう。

見たのが数人の子供達だったらここまでしなかったと思います。
年中くらいから子供の行動を見て
言わなくていいかなと思っていたし、このまま卒園して小学校へいくんだろうなって先を描いていました。


でもここまで知る人が増えた以上、知らない所で噂のようになるよりは
子供にも大人にも正しく知ってもらって、みんなに味方になってもらおう。と思ったんです。





子供達は思った以上にシンプルに、かつ深く理解していました。
その後、○○くんの目、どっちが違うんだっけ? どうなるんだっけ?
と私に聞いてくる子もいるんですが、それは分かろうとしてくれてると感じます。
茶化したり、笑ったり、冷やかしたりする子は一人もいません。
そして大人の方も思っている以上に寄り添ってくれた。


人が一人で考えることっていうのは限界があるし、
考えすぎて自分自身で枠を決めすぎてはいけないんだなと。
動いてみて思いました。

小学校という新しい環境に入る前にこうやって話せたことはいいタイミングだったし
本当に良かった。


義眼をすることになったお子さんのいる方、つけたばっかりの方、病気が分かったばかりの方
どうか未来を恐れないでくださいね。
大変なこともあるけど、悪いことばかりではないし、
歩んでいった分だけ世界は広がっています。

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