うみをすすむ

0歳10ヶ月、網膜芽細胞腫(レティノブラストーマ)という目の小児がんで右目を摘出した息子との日々のこと。病気と向き合う記録。

義眼がはずれて大変だったこと(1)

実は先月大事件?がおこって
つい先日まで対応にいろいろ奔走していました。


お迎え前にスーパーに寄っていたら
息子と同級生の子がととととーっと駆け寄ってきて
「○○くん、目取れちゃったんだよ〜!」って
(事情を知らない子です)

ええええええええ!!!!
とにかく慌てて隣にいたその子のお母さんに義眼であることをを説明し
(説明しないともう子供の話が何の事だか分からないと思ったので咄嗟に)
急いで園に向かいました。

f:id:marmom:20180518113244p:plain

ここからは園長先生に聞いた話ですが

義眼が保育園で
しかもみんなの前で取れてしまったんだそうです。ぽろりと。
その時周りにいた20人ほど(土曜日だったため若干少なかったんですが、その日きていた4、5歳児全員でした)がしっかりと見てしまったということ

もうそれはそれは大騒ぎになったそうで

「大丈夫?」
「お医者さん呼んでーーー!」
「お医者さんきた?」「早く助けてあげて」

と多くは息子を心配する声だったそうです。怖くて逃げたり、悲鳴をあげたりとかはなかったそうなんです。
大変なことが起こったからなんとかしなくちゃっていう
全員がそんな感じだったって。

事態の大きさを見て、すぐに園長先生がお話をしてくれたそうです。
これについては感謝しかありません。

入園から今まで先生方とも色々想定はして話し合いを重ねていたので
園長先生もこちらの気持ちを分かった上でお話してくれていました。
それで子供達も安心できたということでした。


私はこういうことが起きたら
びっくりして泣いちゃったり、パニックになるんじゃないかって思ってたんです。
でも実際は違った

みんなが息子を「助けなきゃ」ってそう思ってくれたんです。
(当の本人は、まだみんな言ってる〜 みたいな感じだったそうで。まあ温度差はあるよね。彼にとっては体の一部で日常だから)

就学前の子供の心の豊かさと
土壌の大きさは想像以上で大人の比ではなかったんです。
園長先生も、子供達の行動に感動してしまったと仰っていました。




でも20人は多い・・・
どうしよう。一人一人説明するには多すぎる
(保育園は保護者がそれぞれ忙しいのでまったく会えない人も多い)
想定していた最大級の出来事なのは確かでした。

若干ですが、「自分の目は取れたりしないか」考える子
「怖い」と泣いてしまった子もいたそうで(それでも大丈夫?という心配が勝っていたそう)

そういった子供達の心のケアと
まっすぐ優しく沢山心配してくれた子供達の気持ちに
私は誠実に応えなければいけない
息子にとっても、噂のように広まらないようにしないといけない
だから
私からきちんと義眼についてお話をした方がいい
と感じました。

園側とも話し合いをし
○まずは息子と同級生の年長さんの子供達<全員に>私からお話をすること。
○同級生の保護者<全員へ>説明をする時間を設けてもらうこと


を決めました。
見てしまった子も含めた<全員>としたのは、この規模だと人づてに伝わってしまう可能性が高いから。
人を介すと間違って伝わりやすいので、ここはもう全員にお話することにしました。
今年は年長でお泊まり保育をはじめ、親の目が届かなくなる大きな行事が多数控えていることもありました。



自分でケアもできるようになってきていたし、人前で取ってはいけないと本人も分かっていました。
だから正直まさか5歳でこんな事が起きるとは思っていなかった。
その日すごく痒かったみたいで、痒さに負けて力任せにこすってしまったようです。

義眼自体が痒いって訳ではないんですよ
普通にアレルギーみたいな花粉症みたいな痒みはあるようで。
目やにが多かったりしても痒いみたいですね。
義眼は横の動きには弱いので、当たりどころも悪くて外れてしまったよう。

このまま何も無く卒園まで行けるかなって思っていたのですけどね…

でも驚きつつも割とどっしり構えていられたのは
これまでも園と色々話し合ってきた土壌があったからだと思います。

とはいえ具体的にどうやってお話をするか、何が必要か、子供、大人それぞれに理解してもらうために何を話すべきか
考えたり話を重ねる日々がしばらく続きました。(つづきます)

marmom.hatenablog.com