うみをすすむ

0歳10ヶ月、網膜芽細胞腫(レティノブラストーマ)という目の小児がんで右目を摘出した息子との日々のこと。病気と向き合う記録。

卒園の日

保育園の卒園を迎えました。

小規模園から大規模園への転園を経て2回目の卒園式。
アットホームなのんびりとした園から、人数もかなり多く毎日の遊びも多彩な園になって正直心配だったけれど、それでもどこか安心があったのは提携の園での転園で、担任も一緒に持ち上がってくれたことででした。

息子への配慮が大きかったのではとも思うけれど
転園による精神的な心配も少しあったので本当に心強くて感謝しました。

目のことに加えて
身体的な成長がゆっくりで。時々周りのスピードについていけないこともあったけれど、息子は生来のマイペースさと根気強さと頑固さで時間をかけながらも追いついて。そしてなにより担任をはじめ、周りの保育士の方々が息子のペースや性格を尊重してくださり、同じ歩みで進めてくれました。

5歳くらいになってから驚くほど積極的に、そして感情表現が豊かになり、苦手なものにも立ち向かう強さを得たこと。
笑顔が一層増えてお調子者になったことも。園のおかげだと思います。

義眼が取れてしまったこともあったけれど
変わらず、いや変わったのかもしれないけれど、どの子もずっと息子のそのままをそれぞれ受け止めてくれました。


保育園ってなんだかユートピアのようで
あたたかく緩やかで、自由で、豊かで何ものにも縛られない感じでした。この年齢にしかないまっすぐで美しい世界。
この先は楽しみではありますが、このキラキラした時間が終わってしまうのが寂しいです。


病室の悲しい日から5年。
こんなに笑顔で
沢山のお友達に囲まれて卒園できる日が来るなんて想像できなかったな。

沢山悩んだりもしたけれど、それ以上に幸せでどれもこれも大切な日々。


卒園おめでとう。


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今病気が分かったり、義眼を使うことになったりして入園が不安なお父さん、お母さんへ。

心配も、悩みも、想像していることを遠く超えて
子供は嬉しいこと、幸せなことを自分で掴んでいきます。きっと大丈夫です。