うみをすすむ

0歳10ヶ月、網膜芽細胞腫(レティノブラストーマ)という目の小児がんで右目を摘出した息子との日々のこと。病気と向き合う記録。

義眼の体験談

しばらく忙しく更新が途絶えていましたが
坊も元気にしています。

また少しずつ更新していきます。

先日このブログにコメントを頂いたのですが、同じ病気で片眼摘出、義眼装着、大人になった方からのリアルな感覚で
共有したくて記事の方へ掲載することにしました。(掲載の許可はいただいています。ありがとうございます!)

子供の気持ちをどんなに想像してみても当事者でないので分からないことは多くて
しかもどんな育児書にも書いてないこと。日々手探りです。
なので当事者の方が大人になって、こうだったよ、こうだよと教えてくださるのは子育ての希望にもなりとっても有り難いです。

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私も,2歳の時に目に腫瘍ができて摘出し,義眼となりました。
生まれてから2年たってますが,両目見えた時の記憶はありません。

(1)数時間義眼を外して生活する点について

数時間義眼をはずすと,付け直した時にうまくハマっていないような違和感を感じます。
おそらく,つけていない間に目(の裏?)の形が少しずつ変わってくんだと思います。
その結果,つけたばかりの時は,義眼の視線の方向がしばらくの間ちょっとズレてるんじゃないかな,という感覚があります。そのうち直りますが。
オジサンになった今でもそうですから,成長著しい子供の時は,常に装着している状態の方がいいように,感覚として思います。私は医者でもなんでもありませんが。
子供の成長に合わせてちゃんと義眼のサイズを変えていけば,大人になっても義眼とぜんぜん気づかれないくらい,見た目に違和感はないようです。

義眼だよ,と言ったら驚かれること多いです。もちろん,完璧に横を向くことはできないので,多少斜視気味なところがあるのかな?とは思われていたようですが。
一日の後半になり疲れると目ヤニが多めに出るようになります。こまめに取り外して洗ってます。


(2)視野が狭い,遠近感がない,かも知れないことについて

視野については,不便を感じたことは一度もありません。おそらく(ほぼ)生まれつきこの視野だからだと思います。
車の免許も普通にとって乗っています。更新の時に視野の検査をさせられますが,いつも全く問題なし。ただ,見えない目の側から近づいてきた人にぶつかってしまうことがちょくちょくありますね。まあ,あ,すみません,と謝れば良いだけの話です。

遠近感については,両目見えた時の記憶がないので,あるのかないのかよくわかりません。
でも,中学生の頃から,今でもテニスをやっており,特段不利を感じたことはありません。
ちゃんとラケットがボールに当たります。特別上手くもないですが笑。周りの人が思うほど,片目であることによる視野や遠近感の不便はないと思います。

お子さんの将来について不安を感じることがあるかもしれませんが,心配ご無用です。私は片目が動かない上にチビですが,普通に女の子と恋愛もしてきましたし,片目だから不利だったことなど1つもないと思ってます。
残った目を大切にしつつ,特別扱いせずに育ててあげるのがいいんじゃないかな~という感じです。