片眼は視覚障害者?
病気などで片目に、事故などで片目になっても
殆どが視覚障害者に当たらない、ということをご存知でしょうか。
ほとんどの人は手帳は発行されず、制度的には両目ある人と同じ扱いということ。
そして補助などはありません。
摘出を行った時、医師の説明の中に「視覚障害者にはならない」と言われ
びっくりしました。目、失くなったのに?摘出だよ? という想いと同時に
どこかホッともしました。
保育園は受け入れてくれるのか、学校はどうなるのか。
ぐるぐる考えていた中に息子は障害者となるのか、ということもありましたから。
息子が片目を失うまで実態を全く知りませんでした。
片目の視野
耳側に約90~100度、
鼻側に約60度、上下方向では、
上側に約60度、下側に約70度 完全に半分という訳ではなく。
※両目の総合視野は左右約180度~200度
身体障害者手帳の障害程度等級(視覚障害)
これを踏まえた上で等級を見てみると、ポイントは「両眼でどのくらいか」っていうこと。
目が片方あるなし、は何と関係ないのです!
等級 | 説明 |
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1級 | 両眼の視力(万国式試視力表によって測ったものをいい、屈折異常のある者については、矯正視力について測ったものをいう。以下同じ)の和が0.01以下のもの |
2級 | 1.両眼の視力の和が0.02以上0.04以下のもの 2.両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が95%以上のもの |
3級 | 1.両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの 2.両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が90%以上のもの |
4級 | 1.両眼の視力の和が0.09以上0.12以下のもの 2.両眼の視野がそれぞれ10度以内のもの |
5級 | 1.両眼の視力の和が0.13以上0. 2以下のもの 2.両眼による視野の2分の1以上が欠けているもの |
6級 | 一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので、両眼の視力の和が0.2を超えるもの |
国民年金(障害基礎年金)
厚生年金保険(障害厚生年金・障害手当金)
障害等級認定基準(眼の視覚障害)
1級 | 両眼の視力の和が0.04以下のもの |
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2級 | 1.両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの 2.身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
3級 | 厚生年金保険のみ 両眼の視力が0.1以下に減じたもの 障害手当金:厚生年金保険のみ (1)両眼の視力が0.6以下に減じたもの (2)一眼の視力が0.1以下に減じたもの (3)両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの (4)両眼による視野が2分の1以上欠損したもの又は両眼の視野が10度以内のもの (5)両眼の調節機能及び輻輳(ふくそう)機能に著しい障害を残すもの |
片眼は制度の間にいる
術後保育園に通っていますが、今の所生活に支障は全くありません。物にぶつかることはありませんし、すれすれの障害物も難なく回避します。義眼の目の方で多少気づくのが遅い、階段を上ったり降りたりがちょっと苦手なところはあります。(ただこれは息子がとても用心深いという性格もあるのでよくわからないです)
立体視ができないため物を取り損ねたりがある、というのを聞いていますが、今の所それはありません。
0歳の時からおそらく見えておらず、片目の視界が日常なので脳の処理が異なって発達している可能性はあります。
(医師にも生まれてからだから、上手く対処できるようになると思うよ、と言われました)
苦手の範疇はあるけれど、片目だから出来ないことは見ているかぎりではありません。
一番の問題は私が医師から聞くまで知らなかったように多くの人は「片目である」=「障害者(手帳をもらえる)」と思っていること。
制度と一般の認識に隔たりがある。正しい理解が殆ど得られていない。これが差別を生み出す源になります。
認定はないので補助もありません。病気に関しては子ども医療費や小児慢性などでサポートがありますが大人になってからはなく、保険にはいりづらかったり、義眼代も補助として国の定める料金は半分以下。
なることのできない職業などもあります(また後日まとめようと思います)。
視覚障害者ではない、そう定めておいて、日々の生活で色々考えることが多いのはなんだかおかしい。
こういったはざまの人たちは結構いると思うのです。
片目の人を視覚障害者と認めるよう(手帳の対象とする)という運動されている方もいらっしゃいます。
が、「子供の頃から病気などで目・視力を失った場合」と、「大人になってから事故や病気で目・視力を失った場合」とでは抱えている問題も少し異なるようにも感じています。
もしこのことについて興味を持たれた方、知った方は取り上げるだけでなく、
一括りにしないで取り巻く環境を少し掘り下げて考えてみて欲しいと思います。
「はざまの問題・認識の隔たり」
を解消しなくては根本的な解決はしません。
まずはこちらを読んだ方が、少しでも現状を理解し、周りの方に伝えてくれることを願います。