うみをすすむ

0歳10ヶ月、網膜芽細胞腫(レティノブラストーマ)という目の小児がんで右目を摘出した息子との日々のこと。病気と向き合う記録。

まわりへの報告のこと

まわりへの説明をどうしようかと言う時
つながりのある人には早い段階に文章で報告しようと決めてました。

この病気を説明するにはネガティブワードのオンパレードになってしまう。
「小児がん」「眼球摘出」「手術」「義眼」「転移、再発」…
目に癌ができるということでさえ知る人が少ない(私も知らなかったし)

はじめ近しい人にとりあえずと電話で伝えたのだけれど
電話口の向こうの方がパニックになってしまって困ってしまったのです。

多分多くの人は身近とは言えない、それもネガティブワードが並んだ時に
思考がストップしてしまい、結果どうしていいか分からず
相手には腫れ物にさわるような対応になってしまうのだと思うのです。
そうなるとお互い傷つく。

目という外から分かりやすい部分。
義眼になって「完治<目が元に戻る>」という意味では一生ないかもしれない
再生医療がものすごく発達したらあるかもしれないけれど)

私たちの辛い気持ちを理解して欲しい なんてことは全然なくて

これから息子が生きていくにあたって理解者は私たちの他にも沢山いた方がいい。

この病気のことで壁にぶつかった時
知って理解して手をさしのべてくれる大人が周りに居たら
きっと自分で道を切り開いていけるはず。


だからこそ口伝えに、噂のようになんとなく伝わっていくことを避けたい
そう思いました。
信頼している人達だからこそ正しく知って欲しかった。
それに私も「知る」ということで病気を受け入れて行くことができているのもありましたから。

だから病気のこと、現状、これからのことを
全部正直に私たちに関わる多くの人が参加しているSNSに書きました
(共有したい という時はSNSっていいですね)

どうなるかなと思ったけれど、みんなちゃんと読んでくれて
同情ではなく、その先の未来を考えてくれた人がほとんど。それに読んでもらったあと実際会うとすごく安心して詳細を分かってもらいやすいのです。
SNSに参加していない友人にも読んだ人が正確に伝えてくれていました。

最近子供を生んだ人、小さな子供を持つ人も多かったから
「書いてくれてよかった」言ってもらえて。

自発的に病気のことを調べてくれたり、病院のかかり方を考えてくれたり
検診の際にこの病気の周知のことを意見してくれたり
色んな意味で周りへのハブにもなってくれてます。

それと仕事柄、飲食店をはじめ自営業の友人知人が多いのもあるけれどよく立ち寄る所で理解してくれてる人が居るというのはなんとも安心で、外出時の負担がとても軽くなりました。


あと報告したことで、
「あ、主人もね、小さな頃から義眼なのよー いつもスポイドみたいなので取り外してるよ」
と義眼の方が身近にいることが分かったり

「先輩に何年かしていきなり俺義眼なんだって言われたことあるんだよ。分からなかったわー」と
友人の先輩が同じ病気だったということを聞いたり
思いがけない心強い事実が判明したりと
今の所悪いことはなく、早い時点に文章で報告して良かったなと思います。


今後も基本的にはオープンに、聞かれたら伝えるスタンスで行こうと考えてますが
口頭での伝え方、そして通りすがりの人や、あまり親しくない方への対応方法は悩むところです。

皆さんどうしてるのかな

このあたりは試行錯誤するしかないですね…