うみをすすむ

0歳10ヶ月、網膜芽細胞腫(レティノブラストーマ)という目の小児がんで右目を摘出した息子との日々のこと。病気と向き合う記録。

病理検査の結果(2)

木曜日。通院の日。

今日の外来は少しだけ心が軽い。電話してくれた先生のおかげで病理結果をドキドキして待たなくていい。

病院の眼科はいつも通りものすごい人。今日は特に多いようで補助椅子ですら埋まっていたから時間がかかるかなと覚悟していた。

 

けど意外と早く呼ばれる名前。

今日は有窓義眼が入っているからぐるぐる巻固定もないようで普通に診察室。

「病理検査の結果が出ました。大体電話でお伝えした通りなのですが病名はレティノブラストーマ網膜芽細胞腫で間違いありませんでした。浸潤はなく今回取りきれたとお墨付きを頂いたということで…」

画面にうつる検査結果の内容は

腫瘍の大きさ13mm 視神経まで1mm  浸潤は認めない 視神経断端陰性

小さな眼球の中に1センチ以上の腫瘍。大きい。視神経までわずか1mm…

後で小児科の先生とも一緒にこの結果を見たのだけれど、本当にギリギリだったそうだ。ここまで腫瘍が大きくなってくると成長速度も早く、1日ずれて受診して検査が年始に延びて(年始のスタートは6日からで一週間延びたかもしれなかった)、手術も延びていたら分からなかったと。

 

「癌になって良かったというのは変かもしれないけど」と先生

「いえ、良かったんです。つらいことは少ない方がいいんです」

 

つらいことは少ない方がいい。痛いことは少ない方がいい。

 

病気の為とはいえ0歳で右目を無くすことになってしまった。

まだ10ヶ月。油断はできない。謎のALP値も高値も気になるし腫瘍マーカーもまだ高め。

検査は続く。これ以上泣かなければいけないことを増やしたくない。

 

どうかどうかこれからもできるだけ笑っていて欲しい。