うみをすすむ

0歳10ヶ月、網膜芽細胞腫(レティノブラストーマ)という目の小児がんで右目を摘出した息子との日々のこと。病気と向き合う記録。

外来 2018.9月(記録)と5年

眼科はいつも通り大混雑で
予約有とはいえ、だいぶ待たなければなりませんでした。偶然、息子より後に病気が分かって、出会ったご家族もいて
同じくらいの子供同士遊ぶことができたので、助かりました!(ありがとう〜)

待ち時間がいつもより更に長かったのは検査があったからで導入されたばかりの網膜が調べられる機械(optos)を使うため。
これだと詳細眼底検査なく、目の奥が見られるのです。
詳細眼底検査(通常の眼底検査より詳細、端まで見る)は散瞳の目薬をしないといけないし、開眼器を使わないといけないし、麻酔していいくらいで5歳でも大人でも怖さ満点です!

今まではぐるぐる巻の拘束の阿鼻叫喚、もしくはMRIで入眠中に行っていました。入眠中でも起きる可能性があります。
全身麻酔で行われる場合もあるそう。

それがこの機械だと視力検査くらいのことができれば可能。
顎を乗せて、目をレンズに当て、じっとしている、という感じなので年中から年長なら使えます。


息子の病気が分かった時にはなかった機械。


技術の進歩、すごいし、すばらしい〜!!

無事撮影できて残っている方の目は何もなく、綺麗ということでした。





小児科はMRIの結果。
問題なく、また中耳炎っぽいものが発見されたくらいです。

そして、遂に
約5年を迎え寛解という時期に入りました
正確にはこの冬なんですが、小児科の診察的には一旦一区切りです。

遠すぎてこんな日がくるんだろうか?と思っていたあの日だったけど
来ました。
その間にもたくさん通って
たくさん検査して。
一つ一つクリアして5年が経ちました。


この区切り以降の話。MRIはしなくてもいいよ、とのことだったんですが義眼台が入っているので位置や大きさを確認していくために年1回がおすすめ。
ということだったんで、年1回にしました。造影剤はなし。
合間に診察を入れて年2回は通院する形に。

MRIは子供にとって負担ではあるんですが、埋め込まれている義眼台の詳細はMRIでしか確認することができない。
赤ちゃんの時、入れることのできる最大の大きさで入れてくれているけれど何しろ成長する子供。台が小さくなって、顔の形が変わってきて.... 息子は義眼台の位置が下へズレていて今後どうなるかは未知数。入れ替えの手術の可能性も0ではないんです。全て1からになるし避けたいけれど...する人もいるそう。

なので継続していただくことにしました。
それに普通だとここまでしっかり診ていただくことはないので、相談できる機会としても安心です。


小児慢性特定疾病の医療費助成が20歳(継続治療の場合)まで引き上げられたそうです!
主治医も含めて医師達が声をあげて10年かかってだそうで
これで、こども医療費がなくなっても、20歳未満で義眼台の入れ替えなどが発生したり何か関連して起こったりしても医療費の心配がなくなります。


小児がんは終わらない(治療が終わったとしても問題が継続していく)ところがあるので、こういった改正は本当ありがたいです。
特にこの病気は治療法が確立されてるとは言えませんし、データもまだまだ全然取れていないそうです。つまり何が起こるかは分からないということ。先生達の行動に感謝しなければ・・・



先生に「義眼の会をつくりました」と報告したら、会を作ったりして声を継続してあげていくことが本当に重要だよ。私たちも10年かかったのよと。
がんばって。と病院側からもアテンドしてくださることになりました。



あの日、最強の手術メンバーを集めてくださった先生も偶然のぞきに来てくださって。
5年間出会ってきた人や、思い出や、いろんなことが頭をめぐりました。


網膜芽細胞腫は1年に約80人の罹患が分かる病気。
だから今年もそんな子供がどこかにいるのだと思います。
最初は本当に目の前が真っ暗になって、絶望して、涙が止まらなくて、先が見えない日々かもしれない。
でもたぐり寄せた先に道は続いています。今元気いっぱい毎日を生きてる息子のことが少しでも道しるべになったらいいなと、思います。