うみをすすむ

0歳10ヶ月、網膜芽細胞腫(レティノブラストーマ)という目の小児がんで右目を摘出した息子との日々のこと。病気と向き合う記録。

義眼に気付かれた!

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朝のみ通園バスを使用しているのですが
先月、先々月、どうも朝、目がかゆいことが多かったようで
はじめてバスの中で義眼がまわってしまいました。

義眼は日常・運動などではまったくこういう心配はないんですが、コンタクトと同じで入れてるだけなので「こする」など左右の強い力にはどうしても弱く、ぽろっと回ったり取れたりしてしまうことがあります。
大人だとそこは力を加減することはできるんですが…小さい子は加減ができず、ゴシゴシゴシっと力任せに擦ってしまいます。
目ヤニ・そして痒みが本当大敵。


隣に座っていた女の子が
「白目になってる~」と保育士さんに報告したそうで
まわりの子もちょっと気づいた模様。


ひえええ


バスにも、ケアセットは常備してあるのですが、閉鎖空間。
取り出して直すのはさすがにお友達が乗っている場ではできないので、アイパッチが初めて使われました。(アイパッチとは本来は弱視の子が矯正に使うためのシール状の眼帯です。義眼っ子の場合、特に幼児は眼帯のゴムを嫌がって取ってしまったりするのでシール状が便利。こういう応急処置的に使います。)


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アイパッチ嫌かな~・・・思っていたのですが「ママ、今日ね、おめめにシール貼ったんだよ」と帰ってから嬉しそうに報告していて割と気に入っていた模様(よかった)。アイパッチ自体は先生が貼ってくれたようです。バスを降りて、目を直していただいていました。




しかしこの園バスで回ってしまったことが、同じ月に2回も発生!

そしてお昼寝から起きた時にもかゆくて擦ってしまい
まわってしまったそう。

計3回!

今回も「白目になってるー」「何か貼ってる」で終わったようなのですが…


通常予定されていた保育園での面談プラス
今の時点でどう周りに伝えるべきか、どう対応するかなど義眼のことについても話し合いました。

4、5歳、年中さんはもう皆おしゃべりがとっても達者です。
特に女の子はまわりの子のこともよく観察してるんです。
年長に上がったらもっとです。

お母さんには義眼であることをお伝えしてる女の子がいます。バスも一緒。その子は多分何か目が自分と違うかも、ということは気づいているんじゃないかと思います。というのも前の乳児園(0~3歳だけの保育園)からずーっと一緒で、おそらく何度か義眼が回っているところも目撃しているのです。

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その子のお母さん話していて、今回の白目事件の話に。すると家で「坊くん、いつも目拭いてもらってるのよ。私も拭いてもらいたい!」なんて言ってたそう
(ええっ!? そこなの 笑)

義眼ということや、何か違うということより、みんなとは違うことをしてもらってる、私にはしてくれないのに! という事には敏感なんですね。
ひいき、のように感じているってことか…と その辺考えていなかったな。
そういうエピソードも含めて担当の保育士さんと話し合いました。

〇お友達の前で回ったら、保育士がどう説明するのか

テーマは以前から変わらないんですが、1歳、2歳、3歳、4歳と少しずつ環境が変わってきているので都度確認は大切で。
特にこういう何かあった時に間を空けないでがいい。
「病気」というフレーズを入れるかどうかを迷っていたのですが、保育士さんに聞くと4、5歳の子は結構「なんで?」と掘り下げて聞いてくるそう。
なので

「赤ちゃんの時に大きな病気をしたから、みんなの目とはちょっと違うんだよ。 でも今は元気だよ。」

「時々白目になったり、変な向きになったりしてるかもしれないけど、教えてあげてね」

という感じで軽く触れてもらうことにしました。
親御さんに聞かれた場合は、小児がんでということには触れず、「赤ちゃんの時の病気で義眼なんです」と伝えてもらうことにしました。
(過去、乳児園の赤ちゃんクラスの時に保護者へお話しした時「小児がん」というフレーズが想定以上に重く受け止められてしまい、義眼で回ることがあるけどびっくりしないで、ということを言いたかったのに伝わらなかったからです。)

あと、バスの座席を変更することになりました。先生が隣の窓際へ。これで何かあってもすぐに見えることはないかな。
変わってすぐは なんでー ということはあったみたいだけど。

〇まわりのお友達はどう思ってる?

保育士さん達は目ヤニなど気づいたら拭いてくれているのですが、なるべくさっと見えないようにしてくれてるとのこと。息子の目のことを特別気にしてる子がいるということはないよう。

義眼のことに関わらず、4,5歳児は相手のことが気になったり、相手の行動や言葉で泣いたり、喧嘩したりというのが始まる時期なんだそうで、気にしながら対応、ということに。

〇誰に目のことを話すか、子供の意思に託したい

今は年中さんで何かあればもちろん説明は必要なんですが、
体のことや気持ち、本当のところは本人にしか分からないもの。もう少ししたら自分のことを自分で話せる年齢になってきます。その時はもう近づいているから「親をはじめ大人が周りに話す」のはこれから必要最低限にしたいなと。誰に話すか、誰と共有するかはきっと大切な部分になってくると思うのです。

彼の目やその経緯全てが彼のアイデンティティでもあるから尊重したい。


<嘘は絶対につかず、その場しのぎはしないこと>
これはずっと芯にあって変わりません。


帰ってからあんまり強くこすると、メメちゃんがくるーんって回っちゃうから
痒くてもやさしくこすろうね。

と言ってみました。
「うん、やさしくこすってみる」「きょうはやさしくこすれた」と言って、息子なりに実践しています(かわいい)
そう、もう言えば理解してくれるんです。



だんだんと手を離れていく子供。
自分で考えて行動できるようになってくる子供。

状況も変化してきて

まだまだ考えることはありそうです。