うみをすすむ

0歳10ヶ月、網膜芽細胞腫(レティノブラストーマ)という目の小児がんで右目を摘出した息子との日々のこと。病気と向き合う記録。

網膜芽細胞腫 遺伝子検査

遺伝子検査を受けて全て終わったので
流れをメモしておきます。
※結果については本人のプライバシーに関わることなのでこちらには書きません。

網膜芽細胞腫の遺伝子検査(罹患本人)が近年一部保険で可能になりました。
何がわかるのかというのはざっくり言うと「遺伝性なのか非遺伝性なのか」 になるのかな
私が受けた理由は

○今の所片眼性であるけれど、発症年齢が1歳以下だったことが気になっていた(遺伝性は発症年齢が低いとされる)
○遺伝性であった場合はそのつもりで今後の診療にのぞみたい
○子供が大きくなって知りたいと思った時に事実をできるだけ伝えられるように

です。理由は様々だと思いますし、
受ける受けないも自由です。まだまだデリケートな問題です。


<検査が可能な病院>

国立がんセンター

まず国立がんセンターに問い合わせてみて、
地方に住んでいる場合で検査可能な病院が近い場合は教えてもらえます。
私の子どもは地元の病院で受けられるところがあったのでそこで検査しました。
まだ受けられる病院はかなり少ないですが、少しずつ増えているようです。
(がんセンターに一局集中しているので、徐々に分散していきたい感じなのかな?)

<検査の流れ>

※うちの場合です。病院によって違うと思いますので参考までに

主治医に紹介状を書いてもらう(病院が異なる場合)

紹介状を持って予約を取る
(遺伝子関連は予約の方法が一般と違いました。受付もよく知らなかったようでちょっとたらい回しにされてしまった・・・)

カウンセリングを受ける
※これは必須です。倫理的な問題が大きいのでしっかり聞いて決める必要があるからです

検査(採血)

結果が出る<カウンセリングとセット>

<保険で調べられるのは 80%>
保険でカバーできる検査で調べられるのは2つの方法。
2つ合わせて80%の変異検出率です。
○直接シーケンス法
○染色体FISH法

<自費 15%>
2つの検査結果をみて、自費の検査に進むかどうか決めます
○MLPA法

どれも調べる箇所が違い(一言で遺伝子といっても色々ある)、現在の技術では全て検査して95%判明するということになります。
遺伝子分野の技術のスピードはものすごいので今後100%に近づいていく可能性はあります。

自費のを含めてもカウンセリング料込みでトータルで5万円も行かない感じでした。
少し前だったら考えられないですね・・・・子供の罹患が分かった数年前は先進医療に入っていたのです。
精度も速さも格段に上がったとか。

保険診療のみでしたら、こども医療費も適用されるので負担はほとんどありませんでした。

結果は3週間程度。
うちの場合は、病院が独自に検査できていたので早かったのですが、検体をがんセンターに送って調べる場合はかなり時間がかかるようです。



カウンセリングがとってもよかった

網膜芽細胞腫の普段の診察では遺伝の所までは詳しく聞けなかったりします。

インターネットで見たり、文献を読んだりしてなんとなく知ってはいたのですが、遺伝の専門の方にじっくりお話を聞くことができたのは良かったし、遺伝子の変異があることによって今後どんな可能性が考えられるのか、変異はどのパターンで起こったのか、起こっているのか(遺伝性と一言で言っても思っていたよりバリエーションがありました)などを理解できて、自分の子供の体の状況を深く知ることができた気がします。

あと、検査のデータは保管され大きくなって本人が直接相談に訪れることも可能だそうです。話をしてくれるとのことでした。
(これがとってもいいなと思いました!)

カウンセリングだけでも良くて
検査自体は受けない。という形でも良いそうですよ。


参考
すくすく
遺伝子診断(国立がん研究センター中央病院の場合) - 網膜芽細胞腫の子どもをもつ家族の会「すくすく」

外来 2018.3月(記録)とアンケート

「義眼での入園・登園アンケートのお願い」
に回答ありがとうございます。

子供の、しかも入園しているという義眼人口を考えると、想定していた以上の数の回答を頂いていて。
本当に感謝です!

考えたら今迄こういったアンケートはなかったんですよね。
皆様の経験談をまとめることで
今回のケースだけでなく、入園、登園の環境向上のひとつのきっかけになればと思います。

3月いっぱいアンケートさせていただいて
まとめる作業に入ります。結果の概要はこちらでも公開できたら。
回答頂ける方は是非お願いいたします。

marmom.hatenablog.com



MRI後の外来。
5歳になってはじめての外来でした。

眼科
目の方は異常なし。

視力検査、MRIの時にはじめてしたんですが
はじめてで、若干うまくデータが取れていなかったので(怖がってなかなか出来ずなところもあり)
「視力検査、今日もやってみようか、慣れも必要だしね」
前回出ていたデータは0.7くらいだったのだけど、矯正してもこれだと何か疾患がある可能性も出て来るそう。
ということでもう一度。

一度やったからか、今回はとてもスムーズ。
機械も怖がらず、顎をちゃんと乗せられた。

ランドルト環はミニチュアのを持って
カードを見ながら、そして次は機械をみながらと同じ方向を示していく。
眼鏡をかけて矯正してまた同じように。

全部上手にできた!
結果1.2あって、もう本当に本当にホッとしたし嬉しかったです。
問題ないでしょうとのこと。


残った目、大切にしようね
(と言いながらスマートフォン大好きっ子でなんとかしないと・・・学びにもなってることがあり完全に禁止とはしづらい現代っ子
主治医は異動で今日でお別れ。でも次の担当の先生はちょっと知ってるんです。縁を呼ぶ子だよね。ほんと。
「大きくなったら眼科医になってよー 不足してるんだよ」って先生。
いつも本当に忙しそうで倒れるんじゃないかってくらい診察してます。




小児科の方はMRIの詳細結果。
病気の方は問題はないが、やはり副鼻腔炎などが再発。
体調が悪い時の息の通りが悪すぎて、相談

慢性的な副鼻腔炎と生まれながらの扁桃腺肥大で
体調不良時、空気の通り道がなくなってしまうらしいです。
薬で毎日緩和させていく方向に。


最近遺伝子検査を受けたのですが、
次回はこの結果をもって今後の診察の方向性も。
遺伝子検査の結果があるからといって大幅に何かが変わる訳でもなく検査結果も100%ではないんですが
今後何に気をつけるべきか、という指針にはなりそうです。


網膜芽細胞腫の由来となるRB1という遺伝子はものすごく大きいそうで
昔は解析に1年とかかかっていたとか。
スーパーコンビューターの力が年々上がっていって、今は早くなり精度も数年前と段違いなんだそうです。
技術の進歩はやっぱり2番じゃダメだ、1番目指さなきゃ(いつぞやの)
こういう所でとても役に立ってる訳です。

今は解析中心ですが、進歩でいつかこの病気がこの世から無くなりますように。

義眼での入園・登園アンケートのお願い

以前「義眼の装着が園で認められない」と
メールをいただいた方からアンケートご依頼がきました。

元々大きな理由に「他の子が誤飲するかもしれないから」というものがあったのですが
2歳になり、義眼を外してしまう癖を義眼師さんと一緒に懸命に直して外さなくなったにも関わらず新年度の話し合いでまだ装着が認められないんだそうです。
外さなくなったら、という条件もいつのまにか曖昧になり「義眼のケア(目やにを拭いたりするだけでなく出し入れ、洗浄も含む)が自分でできるようになったら」ということになっているようです。(義眼のこういったセルフケアはうちの子<5歳>でもやっとできるようになったばかりで2歳の子には正直無謀な条件です。)

そしてお子さんは何か問題行動がある訳でもなく、「義眼である」ということだけでの対応です。

暑い時期のアイパッチのかぶれも発生していて、長時間無装着のために義眼への違和感もあるそう。
2歳、これからは色々な事が分かってきます。今後お子さんの心の発達にも影響が出てくるかもしれません。

この自治体の構造上、園ではなく上の役所を動かすしかありません。
動かすための体験談が必要です。

現在 義眼をしているお子さんの居る方(疾患由来は問いません)、保育園・幼稚園に通っている方、通っていた方どうぞご協力お願いいたします。

通っていた、という場合は何年ごろというのを最後のご意見の欄に記載いただけると分かりやすいです。
※フォームがうまく動かない場合は、項目を書いてメールしていただいてもかまいません。
※体験談が集まることで、この子だけでなく今後同じような状況になった義眼っ子たちの助けになる資料としてもまとめられればと思います。

ぼく自分で目を取れるよ!

最近ぐんぐんできることが増えている息子。
もうすぐ5歳を迎えます。

数日前

「ママ〜 ぼく自分で目とれたよ!」って
振り向くと義眼を自分で取ってる!

<取ってしまった>
ではなくて
<自分の意思で取った>
のです。

下まぶたを下げてスルっとちゃんと取り出して。
何という成長!


なんで取ったの?と聞くと
「痛かったから」って。
最近寒くて乾燥しているから夕方保育園から帰ったくらいの時間になると
目やにや何やらで痛いみたいです。

取る前はちゃんと手をあらって綺麗にしてからね
ばい菌がいっぱいいるからね。と教えると
次にはちゃんと洗って取ってました。えらいなぁ

お友達の前では取っちゃだめだよ。
特別なめめちゃんだから、みんなはびっくりするからね。
痛くなったら先生に言うんだよ。
というのも追加で。



息子の義眼は入れるのは難易度が高い形状なので
入れる方はすぐには無理かもしれないけど
小学校までには自分で出し入れできそうです。

私が洗ったりってもうすぐ無くなるんだろうな

朝日新聞連載

朝日新聞で今日から一週間にわたって
網膜芽細胞腫を取り上げた記事が載るそうです。
病気を経たその先の話。
今までにないより踏み込んだ内容のようなので、私も読んでいこうと思います。
最後に第一線で病気の治療されてる先生のインタビューもあるとか。

「患者を生きる・遺伝性がん」

www.asahi.com
※デジタル版は無料登録することで全文が読めます



この病気は遺伝子が関係しているけど、遺伝性と非遺伝性の2タイプがあるということ。

年齢層が上の方の網膜芽細胞腫のサバイバーの方は親も知らなかったり本人も聞かされていない?ことが多いのかなと思いました。
これから子供にどう伝えていくか悩むところなので、詳しく知っていたか、知らなかったか、どう聞かされていたか聞いてみたいところです(大人の方、是非お聞かせください)


遺伝性は家系からの遺伝で、体全体、RB1遺伝子という発生元になっている遺伝子に変異があります。非遺伝性は網膜の細胞の遺伝子だけがたまたま傷ついて腫瘍が発生。

両眼発生の場合はほぼ遺伝性で片眼のみ発生の場合は10〜15%で遺伝性。のこりは非遺伝性。

遺伝性か否かによって該当遺伝子が引き起こす二次がんの可能性と子孫に引き継がれるか引き継がれないか、というところが変わってきます。

治療が終わっても、完全に終わらないのはこの病気をはじめ小児がん全体の難しい部分だなと思います。



坊は今のところ片眼発生で遺伝性か否かは分からないままです。少し身近になった遺伝子検査とカウンセリングを今の段階で受けることに決めました。本人の性格的なところもあり受けるなら小学校前にと。

これは受けても受けなくてもいいものです。
将来的に知りたいと自分で受けてもいいものです。

調べれば情報が出てくるようになった今、私は、何か迷ったり、悩んだりした時に一つの材料として提示してあげられるようにしておきたい。と
記事の内容がタイムリーなのもあり、明日以降の内容もじっくり読んで考えようと思います。

日帰り入院MRI 10回目 2018.1月(記録)

新年すぐのMRI

実は元旦に義眼側、下瞼が大きく腫れ

そんなことは手術以来はじめてで大慌て。

救急受診も考えたけどインフルエンザが周囲でかなり流行っていて貰い病気にも躊躇。

ストックしていた目薬で様子をみることに。

朝には引いててホッとしていたのだけど夕方にまた腫れ!今度は上瞼も。

「痒い〜」という言葉もあって

何らかの炎症だろうと思いつつも

よぎるのは「再発」「露出(義眼台)」

目薬で様子をみながら3日目もだったら病院へと決意。

 

幸い3日目以降はおさまっていたので保留

でもやはり心配。

MRIには眼科の診察もあったからいつも以上にしっかり診てもらおうと考えてました。

 

MRI感染症チェックもスムーズで

滞りなくと思いきや

点滴入らない!! 

結局場所を変えながら3回も刺すことに...もう最近はお喋りも上手なものだから「もう嫌ーー」「注射終わりにしてー」「3回も嫌ーー(よく分かってる)」本当に辛かった。

ごめんよう...でもMRI撮るために来たからね

造影剤入れられないからね...

 

入眠までの合間眼科で初の視力検査へ

機械を覗くのは怖がってたけどランドルト環はすごく楽しそうに!ミニチュアのランドルト環を持って、表示したものと同じ方向を示すことで測る。

結構見えてたと思う。1.0はあるんじゃなかろうか。遠くも近くもちゃんと。小さいのもちゃんと。よかった。本当によかった。

片目でも見えてるって憶測じゃなくてはっきり分かった日。彼の視界がどんな風かは分からない。でも少なくともこれだけ見えてる。嬉しかったです。

 

すぐに入眠に戻らないといけなくて結果をはっきり聞くことが出来ず。また後日...

 

入眠はトリクロシロップ(本人大嫌いな)のみでいけて

しかも撮影終わったら、起きるという

今までで一番スムーズなパターン!

すごい

 

MRIの結果を待っての

眼科の診察、画像も問題なくクリア

よかった。

問題の腫れも、使った目薬でひいたのなら炎症はあったのだと思うけど心配するものではないとの言葉。発熱など併発してたら心配だけどということで露出も毎日ケアしていれば今の時点で心配はないとのことで一安心です。

今回みたいなことがあったら救急ででもきてね

眼科も常駐だからって。(眼科常駐だとは思ってなかった!)これが一番心強かった。

 

 

でも....主治医まさかの次シーズン異動

やっと信頼関係もできてたとこなのに

大きな病院だからしょうがないんだけど

なんてこったい

 

 

 

 

 

 

もうすぐ

5年間近です。癌は寛解、大丈夫かなっていう目安が5年。最後の一年です。

 病気が分かったのが26日今日27日は目が回るほどの検査だった日。クリスマスから年末はもうどうしても忘れられない時間です。

 

発見してくれたおばあちゃんが来てくれたことも、すやすや寝てる光景も変わらなくて。右の目は失ってしまったけどモクモクした悪魔みたいなのがいるよりいいと信じている。

 

毎日笑っていてくれてありがとう。お母ちゃんはあなたの笑顔がほんとに好きなの。