うみをすすむ

0歳10ヶ月、網膜芽細胞腫(レティノブラストーマ)という目の小児がんで右目を摘出した息子との日々のこと。病気と向き合う記録。

日帰り入院MRI 7回目 2016.6月(記録)

半年ぶりのMRI

ちょっと遅めの時間のスタートだったので
かなりギリギリまで点滴をしないでプレイルームで遊ばせて→お昼ご飯→点滴→寝かせる作戦。




はじめて来た時は赤ちゃんだったのになぁ

昼食はすっかり大人メニュー(しかし三歳児にしては量がものすごく少なかったんだけど。追加で持ってきたサンドウィッチもぺろり)

プレイルームでの遊び方もかなり変わって
ブロックで意味があるものを作ったり、ごっこ遊び、本を自分で読んだり
ここで成長を感じるっていうのも複雑。でもこの子が頑張ってきた証でも。

点滴はやっぱり鬼門で針を入れるのは大変
ぎゃんぎゃん泣いて、外で聞いているしかなくてつらい。

本来点滴は必要ないのだけれど、
小さな子はじっとしていられないから、
シロップ(トリクロリールシロップというそう。オレンジ色)だけで眠れない場合に薬を点滴から入れる。
まだまだ必要なんですよね。


ちょうどMRIの少し前くらいからうとうと。シロップも飲んでさらにうとうと。

これだけで行けるかなというくらい寝てたけど
最近直前で起きることが続いてたので念のため点滴からも入れてもらいました。
二段階睡眠。


MRI室に入っていって今回は大丈夫かなーと外で待っていると
小児科の先生がバタバタバタと走ってきて

「起きそう!」と。

!!

うわーまたかぁ… また強い薬… 
とドキドキしていたら


「大丈夫でした。ブツブツ言いながらも寝返りだけで寝ました。いけそうです」と。
あ~よかった!

とりあえずもうシロップだけでは限界のよう。
シロップは大きくなってくると効きにくくなるそうだしもう一つ薬を入れてギリギリかな。
あのMRIのものすごい音を我慢できるようになったら薬に頼らなくて済むけれどいつになるだろう。

結果はクリア!
おなじみ中耳炎と副鼻腔炎の疑い。
一か月前のNSE値の結果もちょっと高め、だけど平常運転な値でした。

またひとつ積み重ねられて、よかった。


                                                      • -

MRI検査の時は義眼は外した方がいいそうです。

実はずっとつけてたんです…あちゃー


先日義眼を見てもらった時に置いてあったパンフレットを見ると
MRIでははずしてください」と記載が・・・
義眼師さんに確認しても外した方がいいですと。

あー完全に見落としていました。
病院からも何故か指摘はなかったんだけれど。

金属ではないので大きな影響はなさそうですが
正確な結果を得るためには外した方がよさそう。


って皆さんやってるかな(笑)

三歳児検診

三歳児検診が終わりました。
就学前の行政の検診はこれで終わり。
大きくなったなぁ。


今回家でやる視力検査の紙が入っていてやってみたところ
うん、ちゃんと左目見えてるみたい。
正式な検査でないので分かりませんがちゃんと見えてるんだね。

あと、分かっちゃいたんですがね
右目義眼だから隠さなくていいんだ。と。



一歳半の検診は本当に嫌でした。
行くのも嫌だったけれど、行かないと電話がかかってきて余計な対応しないといけなくて、そっちの方がもっと嫌で渋々…

8か月検診の時、家族もちょっとおかしいと思っていた斜視を見落とされていたことにはじまり、その後病気が発覚してからの対応。
心の中でもやもやしたものが
なかなか受け入れられませんでした。


でも今回は、なんだかどっしりと構えていられました。
息子の病気を通じて、行政や病院のことを色々知る事になって、
更にいろんな方に出会ったことも大きいと思います。

同い年の子にはありえないくらいの検査の量を受けてきているというのもありますけどね…



子供が生まれてから相談する世界は狭くて。
行政の検診はそんな新米お母さんたちの最初の窓口みたいなもので。
助けの期待を寄せます。

けれどあくまで窓口で、見てくれる保健師さん達って能力にもばらつきがあるし、検診で行われる検査の精度は高くない。
期待値が高かった分、何かあると激しく落胆する。


最終的には自分で動いて何とかするしかないのです。
親の勘…になってしまうのだけど。

親の勘だけにならないように。
窓口がもっと機能するように。その先の専門家に繋がりやすいように。
動きやすいように。
願わくばもう少し保健師さんや検診の質を上げて欲しいな



相変わらず地域の担当の保健師さんはあまり頼りにならない感じで
「どのくらいの頻度で診察を受けているんですか」という質問を
4回くらいされましたが
(各自共有してよ~と言いそうになりましたが! 相変わらず!)

そんな対応ですが気にかけてくれているのは分かります。



一歳半の時にお願いした啓発ポスターがちゃんと貼られていました。
とっても目立つところに貼られていて
それがとても嬉しかったんです。




何があってもそれを一つ一つ乗り越えていくだけ。
もしも親がしてあげられることがあれば、
自分から動いて
なるべく早く対応する。
なるべく早く可能性を探る。
前をむいて。


この子が自分の人生を愛して
楽しく笑って生きていければいい。

今もこれからもそれを一番に思います。

【質問】斜視だと首を傾けてしまうのか? / 治療後の目は小さくなってしまうのか?

ブログのフォームより質問を届けてくださった方がありました。

読んでくださっている方の中で経験談などありましたらコメント欄かメールでメッセージを送ってくださるとうれしいです。
少しでも悩みの解決の糸口になったり、共有できたらいいなと思います。


治療経歴
片眼性で生後2か月で温存治療を受けられて、現在2歳。経過観察中とのこと。
全身化学療法、眼動注、硝子体注射、アイソトープ


(1)斜視だと首を傾けてしまうのか?

斜視とともに気になるのがいつも首を傾げていること。
まっすぐにすると嫌がったり、怒ったり…
本人にとっても首を傾げて見る方が見やすいのかなと気になってしまいます。
斜視はよく聞きますが、首を傾げることもよくあることなのか、皆さんのお話を聞いてみたいです。

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息子のお話し

息子は摘出して片目でしたが同じような悩みがありました。傾げるだけでなく凝視してましたが…ちょうど同じ2歳くらいの時です。
首を傾げて廊下の側面を凝視しながら歩いたり、片目を傾けて、凝視しながら床を這ったり。
歩き始めも遅く、発達の事が原因かなぁとか、このままで大丈夫なのかなぁと
主治医にも相談しましたが決定的な理由は分からずかなり悩みました。

でも2歳後半から段々とそれはなくなって、今は傾げることも、凝視することもあまりしなくなりました。
まっすぐ向いて物を見ています。

こだわり屋なので、そういう性格的な所も影響していたのかなぁとか
自分なりに視界の調整をしていたのかなぁとか
見え方が面白かったのかなぁとか、
3歳を過ぎた今は思っています。



(2)治療をした目が小さくなっています。

治療をした目が小さくなっています。目は機能しなければ成長しないと聞いたことがあるのでこれから大きくなるにつれて差が出るのかなと不安になります。

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息子のお話し

息子の主治医からも「目は機能しなければ成長をやめてしまう」というお話しは聞きました。どのくらい機能しなければそうなるのか、どのくらいの差が出るのかは分からないのですが。
温存治療でも、摘出の場合でも顔はどうしても一番見えるところではあるので、この成長による左右差がどこまで出るのかと問題は難しいところですね。

摘出の場合は義眼の大きさや義眼台で成長を補う形ですが、もしも補えなかった場合は「眼形成の手術(主に見栄えと整える手術)」という選択肢を提示されています。温存の場合はどうなるのかな?



目は機能的に複雑だし、摘出の場合は転移を防ぐ為、視神経を長く切ってしまっているので目を再生させ、かつ視力を取り戻すことは正直難しいかなとは思っています。(義眼技術と眼形成術の向上に期待ですね…)

再生術の進歩が目覚ましいので
眼球が残っていれば今は無理でも子供が大きくなるころには斜視、視力低下などの画期的な治療法の確立は期待できる気がします。


※聞いてみたいこと、悩んでいることがありましたら以下に送ってみてください。代わってこのブログに掲載します。
このブログに掲載することで、少しでも広く共有して解決の糸口が見つかればと思います。
marmom.hatenablog.com

新しい保育園で預けたものと義眼の説明

乳児園から上がって、2回目の入園して一ヶ月。
人数のかなり多い大きな園になってどうなるかなと思いましたが本人はいたって楽しそう。
前の保育園の担任が持ち上がりで担任になったのも大きいです。
クラスも多くて新しい保育士さんの可能性もあったのですが、義眼の扱いを知っているということもあり考慮してくださったのかもしれません。

親の方が新しいシステムに慣れない始末です。とほほです。


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新しい園で預けるものも用意しました。
基本的には前と変わらないんですが、アイパッチは小さくなっていたので大きなものに。



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園でNGと言われてしまったのは処方のない目薬。
医師から普段使いには涙成分のソフトサンティア(市販)が一番いいと言われていたのですが
これでは投薬指示書を提出できない。
処方があるもので、ということでと
うるおいを補助する目薬「ヒアレイン」を処方していただいて預けてあります。

あと意外だったのが清浄綿。目専用の個包装になった市販のものを用意していたのですが成分上薬にあたるからこれも指示書をと言われてしまいました。でもこれ、処方してもらうほどのものでもないしなぁ。
園外の遊びも多くなるので清潔な個包装のウェットティッシュが良かったのだけど・・・と悩んでいたら水成分だけの清浄綿があると、ブログを通じて教えていただけました!

水だけだからこれはOK。
解決しました。

www.amazon.co.jp
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新しい園から通園バスを使っています。
バスで何かあった時にと2セット用意して欲しいと言われました。
園とバス、二箇所に預けてあります。




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姉妹園なので、保育士さん達は息子の状況や義眼のこともご存知でしたが
「義眼のことを知りたい」と向こうから言ってくださって

園長先生、年少クラスの担任、主任の複数の保育士さん達の前で義眼の出し入れを実演しました。
義眼をしている人に会う機会はほとんどないと思いますし、見たことがないものは先入観もあり怖いものです。
こうやって実際に機会を設けてくださったことでホッとされた部分もあったんじゃないかなぁと。
疑問点などに答えたり、お話しすることができたので良かったです。
保育士さんの不安も取り除けたかな。
いつも前向きに考えてくれるこの園には本当に感謝しています。






これから入園を考えているご両親もいらっしゃると思いますが園の対応は様々だと思います。前向きだったり、後ろ向きだったり。
どちらにしても実際に見ていただくと反応や対応が変わるなぁと実感します。
いい方向が多いです。
義眼って知らない人が多いから、構えてしまうんだと思います。

電話などで「義眼で」とお話しした場合、いい反応ではないこともあるかもしれませんが
諦めず、実際に子供と行ってお話ししてみてください。

※私も説明の時に使った義眼の出し入れのイラスト、ご希望があればメールください。送れます。

同じ想い

ブログを通じてメールのやりとりをしていた方からメッセージが届きました。

この病気の啓発をしたいと思い
ライターさんにお願いして記事を書いてもらったそうです!

最近はtwitterSNS経由でこういったニュースがたくさんの人に配信されるので
とってもいい啓発方法だなと思います。
少しでも多くの方の目にとまって
こういうことがある、と知っていただけたら

是非シェアしてください。

brava-mama.jp




網膜芽細胞腫のことが浸透しない理由のひとつに
啓発のしづらさがあるんですよね。


「どうか一人でも多くの子が早期発見されますように」


自分の子供の心配と同時に
私をはじめ患児の親は願っているけれど


親は当事者でははない。


自分の事だったら詳しく写真を載せたり、
エピソードを公開したり、
もっと声高に「知ってもらいたい」
そう言えるかもしれないのですが



子供の生活
それが一番大切なこと。



どこまで伝えるのか
啓発することで親が前に出すぎると
子供が将来生きづらくなる可能性もあるのです。



むずかしいところです。


できることを少しずつ。
こうやって少しずつでも知る人が増えてくれたらと思います。

義眼での運動や水泳

「あたらしい園」のことで色々なご意見をいただきました。
参考にさせてもらって自分なりに考えをまとめて
園に提出することができました。本当にありがとうございます!

きっと同じことで悩む方もいらっしゃると思うので
こちらにも記録しておきます

体操・運動

マット運動、前転などで外れることはなかった。
体操などは大丈夫そう。
縄跳びとかも大丈夫だった

プール遊び(水遊び)

年少の水遊び程度では特別何かをすることはなく普通に遊べる
取れたりは殆どない。

プールで泳ぐ時は

ゴーグルをしている人が多い
ゴーグルを取る時に圧で義眼が取れる場合があるので要注意。
事前に親子でゴーグルの着脱の練習をしておいた方がよさそう。

ゴーグルをしなくてもそんなに取れないようだけれど
飛び込みとかする時に水圧で痛い、といった事がある。

その他

年中、年長になってくると
「私のオメメ、取れるのよ」とお友達に秘密として打ち明けたりしちゃうことも。
自分の意思で取って外してしまう、という事の方が心配として多そう。





日常の運動で取れることはほとんど無くてその点は心配ないけれど
自分で取ってしまう可能性の方が大きいんだということ。
「人前でむやみに外すものではないんだよ」という家庭での話が大切ですね…

ゴーグルの圧とか水圧とかは頭にありませんでした。
事前の練習大切です!
経験談でしか分からないことですね。

段々とお話しも上手になってきて
こちらの話も分かるようになってきたので
義眼についても少しずつ教えて行きたいと思っています。

あたらしい園

息子が4月から姉妹保育園にあがることになりました。今までと違って習い事のようなことも力を入れている園で、かつクラスも多いマンモス園になります。


保育士さんと義眼について相談しなければならないことがあって、特に直近で必要なのが

◯体操教室
マット運動などで義眼がはずれたり、取れたりしないか

万が一取れた時、どういう対応をしたか、しようと考えているか
(義眼であることは保育園のスタッフは全員知っていますが子供、保護者は現状、殆どの人が知らないです。また3歳になったばかりですので自分で状況を説明したり、自分で目を直したりというのはもうしばらくかかりそうです。)
です。

これから水泳教室などもあります。

◯発表会、運動会など大人数が見る中で取れたり回ったりしたらどういう対応をするのか

流れに任せるのがいいとは思うのですが急に大人数な園になるため今までのようにはいかなくなるかもしれませんし(今までは少人数園でした)、保育士さんと親との基本的対応はすり合わせて決めておく必要があります。


幼稚園、保育園に行っている方、
また似たような経験がある方がいましたら
私ならこうするかなということでも構いません。

色々ご意見や経験談など聞かせていただけたら嬉しいです。

よろしくお願いいたします。